ローズヒップという実のこと ― バラが咲いたあとに残るもの
ローズヒップは、バラの実です。花ではありません。
バラが咲き終わったあと、花のつけ根がふくらんで、赤い実になります。あれがローズヒップです。
どんな植物ですか
お茶に使われるのは、主にドッグローズという野生のバラの実です。園芸品種の豪華なバラではなく、一重の小さな花が咲く、素朴なバラです。
ヨーロッパの野原や生垣に、ごく普通に生えています。チリなど南米産のものも多く出回っています。
どんな香りと味ですか
香りは控えめで、味は酸っぱいです。ここが特徴です。
「バラの実」と聞くと華やかな香りを想像されますが、ローズヒップ自体はあまり香りません。実の部分を使うからです。
味は、干した果物のような、しっかりした酸味です。はじめて飲むと「すっぱい」と感じる方が多いと思います。

赤い色は、どこから来ていますか
実は、ローズヒップだけでは、あまり赤くなりません。
市販の「ローズヒップティー」が濃い赤色をしているのは、ハイビスカスが一緒に入っていることが多いからです。あの色はハイビスカスのものです。
ローズヒップ単体だと、オレンジがかった、澄んだ黄金色になります。はじめて見ると意外に思われます。
どんなときに飲まれてきましたか
ヨーロッパでは、野原で摘んで使う身近な実でした。ジャムやシロップにもされてきました。
第二次世界大戦中のイギリスでは、子どもたちが野生のローズヒップを集める運動がありました。学校ぐるみで摘みに行った記録が残っています。それだけ、暮らしに根づいた実だったということです。
お茶としては、酸味があるので日中に合うと感じます。冷やしてもおいしいので、夏によく使います。
どうやって淹れますか
ほかのハーブより、少し長めに蒸らします。実なので、成分が出るのに時間がかかります。
- ティースプーン山盛り1杯(約2g)に、お湯150〜200ml
- ふたをして5分(ほかのハーブは3分ですが、これは長めに)
- 細かく砕いたものは、茶こしの目に注意してください
酸味が強いと感じたら、はちみつを少し。味がまるく変わります。
飲んだあとの実は、食べられます。ヨーロッパでは、そのまま食べたり、ジャムにしたりします。捨てるのがもったいない実です。
気をつけることはありますか
バラ科の植物です。りんご、もも、さくらんぼ、いちごなどでアレルギー症状が出たことのある方は、同じ科なのでご注意ください。
また酸味が強いので、空腹時に濃いものを飲むと胃にこたえる方もいます。はじめは薄めに淹れてみてください。
よくいただく質問
カフェインは入っていますか
入っていません。
ハイビスカスとの違いは何ですか
ハイビスカスは花のがく、ローズヒップはバラの実です。別の植物です。どちらも酸味があり、色が出るので、よく一緒にブレンドされます。
どんなハーブと合わせられますか
ハイビスカスが定番です。色も酸味も引き立ちます。甘みがほしいときはリンデンやカモミール、すっきりさせたいときはミント系と合わせます。
この記事を書いた人|大内千賀子(おおうち ちかこ)
沖縄県名護市。holis herb(ホリスハーブ)代表。ひとりずつお話を伺って、その方のためのハーブを調合しています。
- JAMHA(日本メディカルハーブ協会)認定 ハーバルセラピスト
- ニールズヤード フラワーエッセンス認定講師
- ニールズヤード ハーバルアストロロジーアドバイザー
- アロマテラピーアドバイザー
