月桃(げっとう)― 沖縄の島に生きる植物
月桃は、沖縄の暮らしのすぐそばにある植物です。道ばたにも、庭にも生えています。
沖縄では「サンニン」と呼びます。名護でも、少し歩けば見つかります。
月桃とは、どんな植物ですか
ショウガ科の多年草です。背丈は2メートルほどになり、葉は大きく、しっかりしています。
初夏に、白い花が房になって垂れ下がります。つぼみの先がうっすら桃色をしていて、「月桃」という名前はここから来たと言われています。
台湾や東南アジアにも近い仲間がありますが、沖縄では栽培しなくても自生しているところが、ほかの土地と違います。
どんな香りと味ですか
葉を折ると、清涼感のある強い香りが立ちます。ショウガ科らしい、少しスパイシーな香りです。
お茶にすると、香りほど強くはありません。すっきりとした、ほんのり土の風味がある味です。クセは少なく、色は薄い琥珀色になります。
はじめての方には「思っていたより飲みやすい」と言われることが多いです。

沖縄では、どう使われてきましたか
いちばん有名なのは「ムーチー」です。
旧暦の12月8日に、餅を月桃の葉で包んで蒸し、家族で食べる行事があります。鬼餅(ムーチー)と呼ばれ、子どもの健やかな成長を願う日です。
この時期になると、スーパーに月桃の葉が並びます。沖縄では、月桃は「行事の植物」でもあるのです。
葉で包むと、蒸したときに香りが餅に移ります。わたしはこの香りで、冬が来たと感じます。
ほかにも、葉を編んで敷物にしたり、乾かして束ねて置いたりと、暮らしの道具としても使われてきました。
どんなときに飲まれてきましたか
沖縄では、日常のお茶として飲まれてきました。特別なときのものではありません。
ムーチーの日に葉で餅を包むのも、香りを移すためであると同時に、葉に包むと日持ちするという暮らしの知恵でした。冷蔵庫がなかった時代からの習慣です。
お茶としては、食後に飲まれることが多いと聞きます。香りがすっきりしているので、脂っこいものを食べたあとに合うのだと思います。
わたしは日中に飲むことが多いです。香りがはっきりしているので、夜より昼に合う気がしています。
どうやって淹れますか
乾燥させた葉を使います。
- ティースプーン山盛り1杯(約2g)に、お湯150〜200ml
- 沸騰したてのお湯を使う
- ふたをして3分。カップにお皿を一枚のせるだけで十分です
長く蒸らすと渋みが出ます。3分で切り上げるほうがおいしいです。
暑い時期は水出しもおすすめです。水500mlに大さじ1杯を入れて、冷蔵庫で一晩置きます。渋みがほとんど出ず、すっきりします。
気をつけることはありますか
ショウガ科の植物です。ショウガ、ウコン、カルダモンなどでアレルギー症状が出たことのある方は、同じ科なのでご注意ください。
また、香りが強い植物なので、はじめは薄めに淹れて様子を見ていただくのがよいと思います。
よくいただく質問
カフェインは入っていますか
入っていません。夜でも飲んでいただけます。
沖縄でしか手に入りませんか
乾燥した葉は、通販でも手に入ります。ただ、生の葉が普通に売られているのは沖縄ならではだと思います。
どんなハーブと合わせられますか
すっきりした香りなので、レモングラスやハイビスカスと相性がいいです。ローズヒップを足すと、酸味と色が加わります。
生の葉でもお茶にできますか
できますが、香りが強く出すぎることがあります。乾かしてから使うほうが、味が落ち着きます。
この記事を書いた人|大内千賀子(おおうち ちかこ)
沖縄県名護市。holis herb(ホリスハーブ)代表。ひとりずつお話を伺って、その方のためのハーブを調合しています。
- JAMHA(日本メディカルハーブ協会)認定 ハーバルセラピスト
- ニールズヤード フラワーエッセンス認定講師
- ニールズヤード ハーバルアストロロジーアドバイザー
- アロマテラピーアドバイザー

