カモミールという花のこと ― 4000年、人のそばにあったハーブ

ハーブティーと聞いて、多くの方が最初に思い浮かべるのがカモミールです。
holis herb(ホリスハーブ)の大内千賀子です。今日は、この小さな白い花のことをお話しします。
カモミールはどんな植物ですか
キク科の一年草で、白い花びらと黄色い中心をもつ、直径2センチほどの小さな花です。見た目はマーガレットを小さくしたような姿をしています。
ハーブティーに使われるのは、主にジャーマンカモミールという種類です。もうひとつローマンカモミールという種類があり、こちらは苦みが強いため、飲むより香りを楽しむ用途で使われます。
原産はヨーロッパから西アジアにかけて。いまはエジプトや東欧が主な産地です。
どんな香りと味がしますか
リンゴのような、甘くやわらかい香りがします。実際、カモミールという名前はギリシャ語の「大地のリンゴ」に由来すると言われています。
味は、香りほど甘くありません。ほんのり苦みがあり、後味はすっきりしています。
ただし長く蒸らすと、苦みが強く出ます。「カモミールは苦い」と感じたことのある方は、たいてい蒸らしすぎです。
どのくらい昔から飲まれていますか
4000年ちかく前の古代エジプトの記録に、すでに登場します。
ヨーロッパでは中世の修道院で庭に植えられ、家庭でも親しまれてきました。イギリスでは芝生の代わりにカモミールを植える「カモミールローン」という文化があり、踏むと香りが立ちます。
ドイツでは「母の薬草」と呼ばれ、家庭に常備される植物のひとつでした。長く人のそばにあった——それがこの花のいちばんの特徴だと思っています。
おいしい淹れ方を教えてください
3つだけ守ってください。
- お湯は沸騰したてを使う。ぬるいと香りが出ません
- 必ずふたをする。カップにお皿を一枚のせるだけで十分です
- 蒸らすのは3分まで。長いと苦くなります
分量の目安は、ティースプーン山盛り1杯(約2g)に対してお湯150〜200mlです。
苦みが気になる方は、はちみつを少し入れると香りが立ちます。牛乳を足して「カモミールミルクティー」にすると、まったく別の飲み物になります。
どんなときに飲まれてきましたか
ヨーロッパでは、一日の終わりに飲まれてきました。ドイツでは古くから家庭に常備されているお茶のひとつです。
『ピーターラビットのおはなし』にも出てきます。畑で怖い思いをして帰ってきたピーターに、お母さんが淹れる場面です。1902年の本ですから、その頃すでに家庭のお茶だったことがわかります。
香りがやわらかく刺激が少ないので、夜のほうが合うと感じる方が多いようです。わたしもそう思います。
ただ、これは香りの性質の話です。朝に飲んではいけない、ということではありません。好きな時間に飲んでいただくのがいちばんです。
気をつけることはありますか
キク科の植物にアレルギーのある方は避けてください。ブタクサ、ヨモギ、菊などでアレルギー症状が出たことのある方は、同じ科なので注意が必要です。
わたしの調合では
カモミールは、組み合わせやすい花です。香りに角がないので、他のハーブの邪魔をしません。
ミント系と合わせるとすっきりし、ローズヒップやハイビスカスと合わせると酸味が加わります。リンデンと合わせると、香りがより静かになります。
はじめてハーブティーを飲む方には、まずカモミール単品をおすすめしています。ここを起点にすると、自分がどんな香りを好きなのかがわかりやすいからです。
この記事を書いた人|大内千賀子(おおうち ちかこ)
沖縄県名護市。holis herb(ホリスハーブ)代表。ひとりずつお話を伺って、その方のためのハーブを調合しています。
- JAMHA(日本メディカルハーブ協会)認定 ハーバルセラピスト
- ニールズヤード フラワーエッセンス認定講師
- ニールズヤード ハーバルアストロロジーアドバイザー
- アロマテラピーアドバイザー

